矯正治療

矯正治療とは

歯並びが悪い部分や噛み合わせを、きちんと噛むように整えて、きれいな歯ならびにするのが歯科矯正治療です。

しかし、きれいな歯ならびにするために、歯を削って差し歯にすることは歯科矯正治療ではありません。そのような治療は長期的な視点で見ると、根の露出によるやり替えや歯周病・むし歯のリスクが上がりますし、歯の根っこの向きや位置など根本的には何も変化しません。

そのような理由から商業的な定義での矯正(セラミック矯正などといわれるもの)は当院では行っておらず、矯正装置で歯やアゴの骨に力をかけてゆっくりと動かして、歯ならびと噛み合わせを治していく医学的な矯正治療を当院では行っています。歯の幅がふぞろいだったり、上下のアゴの歯がちゃんと噛み合わない状態を、専門的には「不正咬合」といい、その治療を行います。

歯科矯正の種類

マウスピース(インビザライン)

・取り外し式なので食事制限がない
・想定より動きが遅いことがある
・虫歯や歯周病になりにくい
・見た目に影響しにくい

ワイヤー

・食事がしにくい
・外れたり頬が傷ついたりする
・虫歯や歯周病が進行しやすい
・幅広い症例に適応できる
・装置が目立つ

大別するとマウスピース矯正とワイヤー矯正に分けられます。

他にも子供のⅠ期治療の際にはいろいろな装置があります。

どちらがいいのか?マウスピースV.S.ワイヤー

どちらが決定的に優れているわけでも、劣っているわけでもありません。
また、全ての人にどちらも適用できるわけではありません。
当院では個別の特性や、その方の状態を見ておすすめの治療法を決定します。
ワイヤー矯正は矯正歯科専門医が担当しマウスピース矯正は特別な訓練を受けたインビザラインドクターが担当いたします。

不正咬合とは

大きく分けてこの5種類が代表的な不正咬合です。

ただし、このうちの1つだけということは少なく複数の不正咬合を併発していることがほとんどです。

このうちの顎の変形のみ保険により矯正治療が可能ですが、外科処置を必要としますので、提携医療機関への紹介となります。

不正咬合を放置しておくと

噛み合わせが悪い場合は、一部の歯にだけ負担がかかります。長期的にみると噛む力の負担が大きい歯から欠けて虫歯になったり、過剰な負担から歯の神経が死んでしまう結果になることが多いです。 また、歯並びのガタガタはお掃除がしにくいせいで、虫歯・歯周病が進行していきます。
歯並びを治す文化があまりなかった日本人は虫歯や歯周病も多いと言われています。病気になっても安価で治療してもらえる日本の手厚い医療保険制度の影響という側面もありますが、世界では歯並びは見た目だけの問題ではないと認識されています。

矯正治療の時期

矯正にはⅠ期治療とⅡ期治療があります。

大まかに説明するとⅠ期は子供でⅡ期は大人です。

乳歯~混合歯列期はⅠ期治療となり、未成年でも永久歯への生え変わりが完了していればⅡ期治療となります。

Ⅱ期治療はⅠ期治療と違って歯を動かすことがメインですので、基本的にはワイヤー矯正もしくはマウスピース矯正の2種類です。

交叉咬合 

交叉咬合

受け口

受け口

指しゃぶり

指しゃぶり

Ⅰ期治療は上の前歯6本と下の前歯6本が生えそろったタイミングで始めることも多いですが、乳歯列であったとしても

『①受け口 ②交差咬合 ③開咬(指しゃぶり)』

があれば早期から矯正治療をスタートさせた方が良い場合もあります。

1期矯正について

子供の歯や骨は発育途中のため、小さすぎる骨格を広げたり顎の前後的な位置を整えたりすることができます。 Ⅰ期治療開始の目安は、 ”上下の前歯(6+6=12本)が永久歯に生え変わったら” と言われることもありますが、永久歯が欠損していたり引っかかって生えてきていない場合もあるので不安な場合はご相談ください。 また、逆に歯の本数が多すぎる(過剰歯)ために不正咬合が引き起こされる場合もありますのでX線で1度は確認してみると良いでしょう。永久歯と乳歯が混在する5~8歳くらいからの治療を開始される方が多いです。 Ⅰ期治療から治療を行うことで、Ⅱ期治療を行う必要がなくなる可能性や、Ⅱ期治療での負担(期間の短縮、抜歯等の回避)を軽減できる場合があります。

小児矯正(1期治療)で使う装置

拡大床

■拡大床

小児矯正に用いられる装置です。顎の幅を広げることで、永久歯が生えてきやすい環境を作ることによって、歯並びを改善します。成長期の子どもに特に効果が高く、永久歯が生え揃う前に使用することが一般的です。治療は数ヶ月から2年程度かかることが多いです。

インビザラインファースト

■インビザラインファースト

インビザラインファーストは、子供向けの透明な矯正装置です。歯列矯正を必要とする初期段階で、目立たない装置で歯を整えることが可能です。成長期の子供の歯並びや顎の成長を促進し、永久歯が生えるスペースを確保しながら矯正治療を進めます。ワイヤーやブラケットを使わないため、口内への負担が少なく、日常生活でも快適に過ごせるのが特徴です。取り外し可能で、歯磨きもしやすいため、口腔衛生を保ちながら治療を行うことができます。

バイオネーター

■バイオネーター

バイオネーターは、主に成長期の子供に使用される機能的矯正装置です。上顎と下顎の位置関係を正しく整えることで、顎の成長を誘導し、歯並びを改善します。この装置は、顎の成長を利用して咬み合わせを調整し、将来的な歯列不正を予防する効果があります。通常、夜間や自宅で使用し、定期的な調整が必要です。

ムーシールド

■ムーシールド

ムーシールドは、主に幼児や小児の反対咬合(受け口)を改善するためのマウスピース型矯正装置です。夜間に装着し、下顎の成長を抑制しつつ、上顎の成長を促すことで、自然な歯並びと咬み合わせを実現します。非侵襲的で、痛みが少なく、装着も簡単です。ムーシールドは特に、乳歯列や混合歯列期の子供に適しており、早期に使用することで将来的な本格的な矯正治療を回避できる可能性があります。

こどもの矯正治療(1期治療)のメリット

歯が並んでいる土台を整えることにより、1期治療で終了する可能性や、仮に2期治療を行う場合でも期間の短縮、抜歯等の回避できることがあります。

こどもの矯正治療(1期治療)のデメリット

矯正装置は取り外し式の装置を使うことが多いため、お子様が協力的でない場合は予定通り治療が進まないことがあります。1期治療から治療を行うと、通院期間が成人矯正よりも長くなります。

成人矯正(2期治療)

歯のガタガタや口元の出っ張り、前歯が反対に噛んでいるのを改善する事です。
前歯を後方に下げたり、理想的な歯並びにする事で、理想的なお口元や歯並びに改善します。
永久歯に生え変わる、10〜13歳頃から治療を行います。

成人矯正(2期矯正)で使う装置

審美性マルチブラケット

■審美性マルチブラケット

金属製の従来型ブラケットに対し、透明または歯の色に近い素材を使用し、装着時に目立ちにくいのが特徴です。審美ブラケットは、治療効果を損なわずに審美性を高めるため、人気があります。ただし、材質の特性上、金属製に比べて強度が劣る場合があり、治療期間がやや長引くことがあります。

インビザライン 

■インビザライン 

透明なアライナーを使用した歯列矯正治療法です。従来のワイヤーやブラケットを使わず、患者の歯型に合わせたカスタムメイドのアライナーを段階的に交換することで、歯を徐々に動かして理想的な歯並びを実現します。目立ちにくく、取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすい点が特徴です。また、痛みが少なく、日常生活に支障をきたしにくいことから多くの方に選ばれています。

iTeroを使用した負担の少ない型取りと治療のシュミレーション

iTeroを使用した負担の少ない型取りと治療のシュミレーション

iTeroとは、新しいデジタルスキャナーで、従来の型取りに比べて口の中で不快な粘土を使う必要がなく、簡単に歯の形をデジタルでスキャンできます。これにより、より正確な治療計画が立てやすくなり、治療がスムーズに進みます。特にインビザラインなどの矯正治療では、iTeroを使うことで、ぴったりとしたアライナーが作れるため、矯正期間が短くなることがあります。また、スキャンしたデータをその場で画面に表示できるので、自分の歯がどのように変わっていくかを視覚的に確認でき、安心して治療を受けられるのも大きなメリットです。当院ではお子様、成人の方のインビザライン治療をはじめ詰め物かぶせ物の型取りなどに使用しております。

歯科矯正の流れ

矯正に関する質問や相談だけなら、無料で承ります。ただし、個別の判断が必要な事柄に関しては診断後となりますので、確定的なご回答はできかねる場合がございます。

マウスピース矯正の適用の可否は診断後にご説明となりますが、ワイヤーとマウスピースどちらでも可能な場合はご希望を伺うことができます。

  • 初診・相談

    1初診・相談

    矯正に関する質問や相談だけであれば、無料で承ります。
    ただし、期間の目安など個別の判断が必要な事柄に関しては診断後となりますので、確定的なご回答はできかねる場合がございます。
    矯正治療の一般的なお話や、注意点など気になる点はご相談ください。
    また、矯正期間中は虫歯や歯周病のリスクが上がります。ご希望の方は保険診療内での検査等も承ります。 iTero(光学印象機)を使用した大まかなシミュレーションをご希望の方は事前にお知らせください。 マウスピース矯正の適用の可否は診断後にご説明となります。

  • 検査・診断

    2検査・診断

    矯正の診断に必要な検査を行います。 また、矯正中は虫歯・歯周病のリスクが上がりやすいので、保険診療内での虫歯・歯周病の検査も行います。現状で虫歯や歯周病が重症化している場合はそちらの治療を優先します。
    分析・診断はセファロというX線写真を基に行います。骨格的な問題が原因なのか、歯の並び自体の問題なのかなど多数の項目にわたって数値化し分析・診断します。
    当院は指標となる基準点の表記方法の統一化のため、AIを駆使した分析を行い、歯科矯正専門医が2名とインビザラインドクター1名のうち複数の歯科医師による診断を行っています。

  • 治療方針説明・同意

    3治療方針説明・同意

    マウスピース矯正の適用の可否のご説明やワイヤー・マウスピースどちらでも可能な場合はご希望を伺いながら治療方針を決定します。
    ※治療方針の説明・決定は2回に及ぶこともございます

    マウスピース矯正(インビザライン)は1300万人以上のデータを基に歯の移動を予測計算したシステムですが、場合によっては予想外の移動が起こる可能性があります。その際は一時的にワイヤー矯正を併用することがあります。また、スキャンは平均2~3回行います。
    治療方針を決定すれば大まかな矯正期間の予測を行うことができますが歯の動き方には個人差があり前後することがあります。

  • 治療開始

    4治療開始

    診断や治療計画にご納得いただき、治療を開始していきます。矯正治療は、虫歯や歯周病と違い“必ず治療しなくてはいけない”というものではありませんし、痛みが出てくることはあっても痛みをとったりという治療ではありません。ですので、しっかりとご理解のうえ、治療に進んでいただく必要があると考えています。また、途中で虫歯ができたり歯周病が悪化することは比較的起こりやすい事項です。
    想定外の事態に陥ったとしても、しっかりとお互いにコミュニケーションが取れる信頼関係を築いていくことが重要です。
    何か分からない点があればなんでもご質問ください。

  • 治療期間中(マウスピース矯正の場合)

    5治療期間中(マウスピース矯正の場合)

    マウスピース矯正の場合は、定期的にご自身で次のマウスピースに変更していただく必要があります。ワイヤーに比べてマイナートラブルは少ないですが、不安がある際にはご来院ください。
    お食事以外にはずっとマウスピースを使っていただきますが、適切に使用できていない場合はマウスピースの型が合わなくなっていきますし、治療期間が延長していきます。(1日22時間以上の使用が推奨されています)
    1回のスキャンで全行程が終わることはほぼなく、各個人の動きに合わせて平均2~3回程度のスキャンが必要です。
    虫歯や歯周病のリスクも上がりますので、管理のために月に一度はご来院をお願いしています。

  • 治療期間中(ワイヤー矯正の場合)

    5治療期間中(ワイヤー矯正の場合)

    基本的には月に1度のご来院となります。 ワイヤー矯正は痛みや外れなどのマイナートラブルが良く起こります。その際にはすぐに来ていただくことは可能ですが、いつもと違う担当医になる可能性があることをご了承ください。

料金表

検査・診断料5,500円
子供の矯正(上下額)440,000円
グループ割引385,000円
子供のインビザライン【18ヵ月】385,000円
グループ割引357,500円
大人の矯正(上下額)770,000円
グループ割引638,000円
大人のインビザライン660,000円
グループ割引550,000円
大人の部分矯正275,000円
グループ割引220,000円
調整・管理料【大人】5,500円/月
調整・管理料【子供】3,300円/月

家族・友達は2人以上で割引価格となります。

割引き適用には条件がありますので詳細は診療室にて担当医にお尋ねください。

注意事項

歯科矯正の際は当院をかかりつけ医院とし、虫歯・歯周病治療や定期検診・歯のお掃除など口腔内管理をお任せいただきます。シームレスな歯科医療を提供するためにとても重要ですので、ご理解ください。

当院の休診日等で歯科医師会の休日診療をご利用された際はお知らせいただきますようお願いいたします。

マウスピース矯正(インビザライン)に関しては、適用可能な方とそうでない方がいらっしゃいます。診断の際にシミュレーションを致しますが、予想の範囲外の動きが出現した際は一時的にワイヤー矯正を併用させていただく可能性がございますので、ご了承下さい。

子供の矯正価格が適用されるか大人の矯正が適用されるかについては生え変わりの様子によって判断されます。目安としては、11歳くらいまでは子供の矯正であることが多いです。

矯正終了後は後戻り防止のため長期保定が必要です。

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