全身麻酔歯科治療

全身麻酔法とは?

全身麻酔法とは?

全身麻酔法は、医科の外科手術にも適用される麻酔法です。当院ではこれを歯科治療に用いています。脳の活動を抑えて深い眠りに導き、呼吸を抑制した後に人工呼吸に切り替えます。痛みの麻酔と併用することにより、苦痛を感じない状態で治療を行うことができます。

専門の麻酔医の管理のもと、血圧や心拍数、心電図、酸素飽和度など全身状態をモニタリングしながら行い、もしそれらに変化が起きたときにも対応できるような体制を整えることが必要です。
治療に対する不安の度合いによって、事前にマスクでガスを吸ったり、薬をシロップに混ぜて飲んだりしてから行うなど、3段階の麻酔導入方法をとります。
当院では、術前検査を院内でお受けいただけますので、他院へ行くストレスを軽減し、治療時間を短縮することができます。
安全性を確保するために、治療の前日、また当日には患者さんにお電話し、お体の状態を確認しています。

治療後は、患者さんの状態を標準のチェックシートの結果にもとづいて点数化し、規定の点数に達するまで帰宅を許可しないことで、安全性の確保を徹底しています。

全身麻酔はこのような方に使用しております

  • 歯科恐怖症の方
  • パニック障害の方
  • 嘔吐反射でえづいてしまう方
  • 極度に歯医者嫌いなお子様

全身麻酔法のメリット・デメリット

メリット

  • 完全に意識のない状態にできる
  • 痛みを感じることがない
  • 治療時の痛みや不快感などの記憶が残らない
  • 体が動かなくなるため、治療を安全かつ確実に行える

デメリット

  • 事前に全身状態の検査(胸部レントゲン、心電図、血液検査など)が必要
  • 治療前の絶飲食、治療後の安静が必要
  • 気管内にチューブを入れる必要がある、そのための時間がかかる
  • 治療終了から帰宅まで1時間ほど安静にする時間が必要

治療前

治療当日を含め、当日までの2週間以内に風邪・発熱など体調が悪くなった場合には、早めにご連絡ください。治療の延期をご提案させていただく場合があります。
食事・間食などの摂取は、固形物は6時間前まで、お水・お茶などの透明な飲み物は2時間前までとしてください(嘔吐した場合、窒息の可能性があります)。
ご自身で車など運転して来ないでください。また可能であれば、付き添いの方とご来院ください。

いつも飲んでいる薬(常用薬)は、通常どおり服用してください。ただし薬の種類によっては中止しないといけないものもありますので、事前にお知らせいただくとともに、主治医の指示に従ってください。

お化粧はお控えください(ファンデーション・口紅・手足のネイルも禁止です)。
お顔まわりのひげを剃ってきてください。
術前に予防接種を受ける場合は、当院へお知らせください。2~4週間開ける方が良いです。

治療後

治療後には、ふらつきがなくなるまで1時間程度休んでいただきます。 当日は車などの運転はしないでください。また、危険な仕事・責任をともなう仕事は避けてください。
当日は、激しい運動やアルコールの摂取は避け、ゆっくりと休んでください。

全身麻酔の危険性・偶発性・合併症について

2010年の日本麻酔科学会の統計では、日本国内において100万例に1例の割合で、麻酔が原因となる死亡症例があります(飛行機事故より低い頻度です)。
チューブを入れる際に、まれに器具で歯や唇を傷つけることがあります。 チューブの刺激が原因で、のどの痛みや声のかすれ、咳などが生じることがあります。
処置後に吐き気やおう吐が生じることがあります。
術後の入院が必要になる可能性があります(中谷病院と連携しています)。

当院の万全な体制と設備

当院の万全な体制と設備

当院では、患者さんに全身麻酔治療を安全にご提供するために、体制・設備を万全に整えています。たとえば全身麻酔器をはじめ、細かな患部を拡大して見ることができるマイクロスコープや、治療時の痛みを軽減できるレーザー治療器などの最先端機器を導入し、精度の高い治療を実現。また全身麻酔治療の後に、麻酔が完全に切れるまでゆっくり休んでいただけるよう、個室の休憩室を完備するなど、環境づくりにも注力しています。

患者様の不安に合わせた麻酔導入法を選択します

不安の度合い 段階1
(不安:中)
段階2
(不安:高)
段階3
(不安:激高)
患者様の状態 点滴が可能である 点滴が怖い チェアーへの移動も難しい
方法 最も一般的な、直接点滴を行う方法 マスクでガスを10~20カウントの間吸っていただき、ボーっとした状態になってから点滴を行う方法 開始する20分~30分前に鎮静薬をシロップに混ぜて飲んでいただき、ボーっとした状態になってから点滴を行う方法
メリット すぐに安全に治療を開始できる 点滴が怖い場合にも有効 診療室の雰囲気自体が怖い方にも有効
デメリット 注射を拒否する方には適さない チェアー近くまで行くことが必要
ガスにペンキのような揮発臭があり、息をこらえてしまう場合には時間がかかってしまう
効果に個人差がある 薬を飲むことが苦手な方、味わってしまう方には難しい
帰宅までに時間がかかることがある

よくあるご質問

全身麻酔にリスクはありませんか?

治療において、リスクがまったくないというものはありませんが、全身麻酔は他の医科においても、小さな赤ちゃんからご年配の方までの外科手術に適用される一般的な麻酔法です。

全身麻酔の費用はどれくらいかかりますか?

全身麻酔は治療内容によって、保険診療が適応されるか自費診療になるか分かれます。そのため費用について一概に「〇〇円」というご説明ができません。目安としては、保険診療の場合で4万円~となっています。

静脈内鎮静法とは、どうちがうのですか?

静脈内鎮静法は、うとうとと半分眠ったような状態を1時間程度維持できる方法です。それに対し全身麻酔法は、完全に眠った情報を2~3時間程度維持できるため、治療をまとめて行うことができます。

全身麻酔を行う前に必要な検査はよその医院でうけるのですか?

全身麻酔を行う前には胸部レントゲン、心電図、血液検査など全身の検査を行います当院ではこれらの検査を、当院内で行うことが可能です。

歯科治療に対して強い苦手意識があるのですがどうしたらいいでしょうか?

「歯医者が苦手」「治療を受けようとすると吐き気がする」など、歯科治療に対して強い苦手意識をお持ちの方には全身麻酔がおすすめです。完全に眠った状態になり、痛みや不快感のない状態で治療を受けることができます。

全身麻酔は歯科医師が行うのですか?

当院では全身麻酔は歯科麻酔専門医が立ち合い、全身状態をしっかり管理して行っています。どうぞご安心ください。

全身麻酔治療を受けるにあたり、注意すべきことはありますか?

治療前には飲食物の摂取に制限が乗じます。 また当日の車の運転は控えていただくほか、治療前、治療後にはそれぞれ注意事項があります。

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